「臭いー」1歳娘が泣き出す異臭の正体!40度の室内にあった忘れ物とトイレの置き土産で大パニックに
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「どーでもいいーですよー」の枕詞とともに淡々と毒をはく芸風で、一世を風靡したピン芸人のだいたひかるさん。乳がんの経験を経て2021年5月に45歳で妊娠を発表し、現在は片づけを通して自身の人生を見つめるエッセイ『生きるために、捨ててみた。』の出版が話題を呼んでいます。3回目の今回は、不妊治療の再開と妊娠、今後の目標などについてお話をうかがいました。
★前回:乳がんで右乳房を全摘。だいたひかるさんインタビュー「抗がん剤治療中、太らないようにサウナスーツでレンタルDVD店へ(笑)」#2
――乳がんが見つかったことで不妊治療は幕を閉じたのでしょうか?
だいたさん 当時の私は乳がんに関する知識がまったくなくて、乳腺外科の先生に「不妊治療はやめたほうがいいですか?」って質問をしたりしていました。不妊治療では女性ホルモンの補充がおこなわれますが、乳がんには女性ホルモンを餌にするタイプのものがあり、女性ホルモンを抑える治療をすることもあるそうなんです。つまり、不妊治療と乳がんのの治療って真逆のことなんですよね 。手術の日まで採卵はできるけれど、その後は不妊治療を休まなければいけないことがわかりました。リンパ節への転移が見つかって抗がん剤治療を受けることになったときには、「もう不妊治療は無理なんだな」と思いました。
――無理と思われたのはどんな理由からだったのでしょうか?
だいたさん 私は40歳になっていましたし、抗がん剤治療をすると閉経する可能性があると言われたんです。だから「もうダメなんだなぁ」「間に合わなかったんだなぁ」って。
――2020年秋には乳がんの治療を中断して、不妊治療を再開することを発表されました。そこに至るまでにはどんな思いがあったのでしょうか?
だいたさん 乳がんが見つかる前に移植するはずだった受精卵がずっと凍結保存されていたんですね。乳がんの治療を続けていけば妊娠する可能性は0%ですが、受精卵を子宮に戻せばわずかなパーセンテージだとしても妊娠する可能性があるんですよね。
受精卵を凍結保存しているクリニックからは、年に一度、保存を延長するかどうかのお知らせが届くんです。おそらく私は破棄することなく、毎年、お金を払って受精卵を凍結保存し続けるはずです。そうなると、長生きをして80歳、90歳になったときに「どうしてもっと若いときに受精卵を子宮に戻さなかったんだろう」って後悔するかもしれないですよね。
80代、90代に比べれば40代は若いですから、可能性がゼロではないなら不妊治療に挑戦してみようと思ったんです。2020年10月に乳がんの治療をやめ、2021年5月に受精卵を子宮に戻し、妊娠判定が出ました。
――そのときの心境を教えてください。
だいたさん 不妊治療を再開できること自体が奇跡だと思っていたのに、45歳での最後の挑戦が実を結び感無量でした。生きていてよかったと心の底から思いましたね。2022年1月に出産予定なのですが、おなかの子どもがちゃんと生きようとしている、今この瞬間に起きているその事実がうれしいんです。
――妊娠を機に片づけへの意識は変わったのでしょうか?
だいたさん 生まれてくる子どものほうへと興味が移り、自分の過去のものには関心がなくなってきたんですね。だから、今まで手放せなかったものも処分できるようになりました。「こういう金具がついている服は、子どもにとっては危ないな」と思い、最近は大切に着ていたサロペットを手放しました。
――片づけを通してご自身に対する意識にも変化はあったのでしょうか?
だいたさん 私はモノへの執着がけっこう強かったのですが、モノではなく自分に執着するようになりましたね。思うように手を動かせるし歩くこともできる。何不自由なく体の部品を使えるのはすごいことで、どんなモノよりも自分という存在が貴重だということに気付くことができました。
――今後の夢や目標を教えてください。
だいたさん 目標は徹底的に一つだけで、「死なない」ということです。私はこれから母親になるわけですが、子どもにとって親がいつまでも元気でいてくれるのに越したことはないと思うんですね。出産後はどこかのタイミングで乳がんの治療を再開することになります。家族のためにも死なないように、ちゃんと自分の体をメンテナンスしていきたいと思っています。
――さまざまな波を乗り越えてきただいたさんから、心身ともに揺らぎがちなウーマンカレンダー世代の女性に向けてお言葉をいただきたいです。
だいたさん きっと、「シワが目立つようになった……」「白髪がある……」と年を重ねることをネガティブに捉える方もいらっしゃるのではないかと思います。私は乳がんを患ってから、「長生きをしている人ってすごいなぁ」と思うようになったんですね。シワや白髪ができる年齢まで生きられる、それって素晴らしいことなんです。
乳がんの治療で入院中に、病室のごみを処分してくださる方が高齢の女性だったのですが、「こういう年齢までお仕事をされていてすごいな」って思ったことをよく覚えています。どんな高価な宝石よりも、毎日ちゃんと動いている体の機能のほうが遥かに貴重品なんですよね。
「あの人のほうがいい暮らしをしている」とか「私はあの人よりはマシ」とか、ついつい人と自分を比べてしまうこともあると思うのですが、でも、そうした瞬間も自分の大切な時間であることに変わりはないですから。自分の時間には限りがあるので、自分が好きなことに執着をして過ごす。私自身、そんな毎日を送っていけたらいいなぁと思っているんです。
<だいたひかるさんプロフィール>
1975年埼玉県生まれ。「どーでもいいですよー」の持ちネタで大ブレイクし、2002年R-1ぐらんぷり初代チャンピオン。バラエティ番組やCMなど多方面で活躍中。文房具大好き芸人として文房具のプロデュースなどにも携わっている。著書に『生きるために、捨ててみた。』(幻冬舎)
<著書>
『生きるために、捨ててみた。』だいたひかる著/幻冬舎 1320円(税込)
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