
食物アレルギーは一部の人が発症する病気で、自分には関係ないと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、一般的に知られている食物アレルギーとは別の食物アレルギーがあり、それは大人の女性の健康や美容にも影響しているといわれています。それは一体どんなものなのか。美容・アンチエイジング専門医の黒田愛美先生に聞きました。
教えてくれたのは…
監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic 医師)
美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。
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原因不明の体調不良は食事が原因かも

肌荒れや便秘、疲れやだるさなど、受診するほどではないけれど調子が悪い、また、受診しても原因がわからないなど、原因不明の体調不良は誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。体調不良の一因として、遅延型アレルギーが関係していることがあると黒田先生は言います。
「一般的に知られるのは卵、牛乳、小麦などによる即時型アレルギーですが、栄養療法や予防医学をおこなうクリニックでは、遅延型アレルギーを検査することができます。即時型アレルギーが食べてすぐに症状が出るのに対し、遅延型アレルギーは6~24時間と遅れて症状が出るのが特徴です。
肌荒れや湿疹、疲れやだるさ、下痢や便秘、鼻炎、生理痛などハッキリとしない症状が多いため、食物アレルギーとは知らず原因食物を食べていることがほとんどです。
遅延型アレルギーによる症状は、ある特定の食物が腸内で正常に分解されずに炎症を起こすことでミトコンドリア機能が低下することから起きます」(黒田先生)。
ミトコンドリア機能とはどんなものなのでしょうか。
「体の中には60兆くらいの細胞があって、その細胞の中にミトコンドリアというエネルギー産生器官があります。ミトコンドリアはATPというエネルギーを作って、私たちの行動や生命を維持し、支えてくれているのです。
しかし、加齢などミトコンドリア機能が低下すると活性酸素処理能力が低下し、体内に炎症が起きたり、疲れやすくなったり、消化不良になったりと生命活動も低下してしまいます」 (黒田先生)。
どんな食品が遅延型アレルギーを引き起こす?
遅延型アレルギー は、どんな食品が原因になることが多いのでしょうか。
「乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)、卵、豆類、ナッツ類、米、小麦、酵母(イースト、パンなど)などがあります。私も何度か検査を受けましたが、乳製品や卵黄などが陽性になりました。乳製品は今でも控えるようにしています」(黒田先生)。
実際に検査を受けたいときはどうすればいいのでしょうか。
「栄養療法や予防医学をおこなっているクリニックで受けることができます。検査会社がいくつかあるので、調べられる食品や費用はそれぞれです。食品は100~200種類、費用は4~5万円程度です。調べる食品の数で費用が決まってきます。血液採取で検査をし、3週間ほどで結果が出ます」(黒田先生)。