
今やダイエット法の定番でもある、糖質制限ダイエット。人生最後のダイエット!と張り切り過ぎて、糖質をまったく、またはほとんどとらないなんて無理なことをしていませんか。40代、50代の一般女性が糖質制限ダイエットできれいに痩せるためには、いくつかポイントがあると言います。美容・アンチエイジング専門医の黒田愛美先生に聞きました。
教えてくれたのは…
監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)
美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。
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糖質制限はOK。でも極端な制限はNG

太りやすく痩せにくいとされる40代、50代ですが、糖質制限ダイエットにはそんな女性たちにも効果が高いと黒田先生は言います。そもそも、どうして糖質を制限すると体重が減るのでしょうか。
「糖質は、摂取すると血糖値が上がりやすくなるという特徴があります。血糖値が急に上がると、それを抑えるためにホルモンの一つであるインスリンが多く分泌されます。インスリンが多く分泌されると、血液中の余った糖分を脂肪に引き込み、体脂肪が蓄積されてしまうのです。糖質を制限することで血糖値の急激な上昇を抑え、インスリンの分泌を抑えることができます」(黒田先生)
じょうずに糖質制限ができれば、40代、50代でも美しく痩せることができるそうです。
40代、50代なら無理せず少しずつ

ただ、糖質を制限して体重が減り始めるとうれしくなり、さらに減らすために糖質を極限まで減らすという行為は危険だそうです。
「一番心配なのは筋肉の減少です。エネルギー源である糖質の摂取量が極端に少なくなると、体内ではエネルギー不足を補うため、肝臓で蓄積されているグリコーゲンという物質を分解してエネルギー源を作り出しています。このとき、副腎や肝機能、ホルモンバランスが正常であればケトン体と呼ばれるエネルギー源を生成し、脂肪を分解してくれるのですが、40代、50代はホルモンバランスが乱れる時期。副腎疲労や脂肪肝も多い年代です。脂肪ではなく、筋肉を分解してしまう恐れがあるのです」(黒田先生)
女性ホルモンの分泌が減り、ただでさえ筋肉の質が落ちている時期に糖質不足で筋肉が減るという事態は避けたいもの。さらに、過剰な糖質制限の弊害はまだあると言います。
「女性ホルモンの低下が加速して、骨粗しょう症の進行やホルモンバランスのゆらぎに拍車がかかることもあります。40代、50代から糖質制限ダイエットを始めるなら、無理なく少しずつ進めることが大切です」(黒田先生)