
不妊治療から10年、39歳で念願の子どもを授かりました。出産後3カ月を過ぎたころより抜け毛が始まり、授乳期が終わっても抜け毛が止まらなくなってしまいました。また、髪が生えるのも遅く、抜けるスピードに追い付かずに生え際が寂しくなっていったのです。
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産後の抜け毛に加齢を感じた瞬間

授乳が始まって3カ月たったころから、産後の抜け毛が始まりました。シャンプーをするたびにごっそりと、すべての指の間に髪が引っ掛かったり、枕にも束のように髪の毛が付くようになったりしました。特に、お風呂の排水口は詰まるので、毎日こまかい掃除が必要となりました。これまでの人生でこれほどの抜け毛の経験をしたのは初めてです。
しばらくすると、髪が抜けるスピードに生えてくるスピードが追い付かず、前髪の生え際が薄くなり始めました。「このまま生えてこなかったらどうしよう」と不安になり、美容師さんに相談しました。すると、「高齢出産の場合、抜け毛は戻らない場合もありますよ」とのこと。個人の体質によっては、そのまま薄毛になってしまう人もいるようなのです。
そのとき、私はすでに40歳。周りのママ友は20代や30代です。彼女たちも抜け毛はあったようですが、私から見る限りは黒々とたくさんの髪の毛が生えていて、困っているようには見えませんでした。彼女たちと比べると、体力面も含めて圧倒的に回復のスピードが遅いことにショックを受け、がく然としたのです。産後と言うより「加齢」という言葉を初めて意識しました。
抜け毛の原因は血液不足

妊娠7カ月に入ったころ、助産師で鍼灸師の仕事もされている方と会う機会がありました。そのときに、産後に起こり得る困り事についていろいろと教えていただきました。中でも、高齢出産で抜け毛で悩む人は多くいると聞きました。
その方の説明によると、髪の毛が抜ける原因は、基本的には毛細血管の血液不足なのだそうです。出産により大量の血液が失われ、それが回復する前に授乳でさらに毎日大量の血液が失われていきます。毛細血管に十分な血液が運ばれず、そこに産後のホルモンバランスの乱れが重なり、抜け毛に拍車をかける状態となるのだとか。さらに、慣れない育児によるストレスが加わってトリプルパンチとなり、抜けやすく再生しにくい髪の状態を作ってしまうというのです。
私は授乳期が始まってから、睡眠不足により抵抗力や心の忍耐力が下がってしまっていたのを実感しました。その上、新生児という繊細な命を扱うために、気が休まる暇もありません。こんな毎日がいつもまで続くのかと落ち込みがちになっていました。 そもそも体力の回復が遅くなりがちな高齢出産において、「抜け毛」は心と体の健康状態を表すバロメーターであると実感しました。