「少し体重を落としてください」健診で指摘された40代の私が見直した生活習慣とは
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「スッキリと痩せてスリムになりたい!」努力しているのになかなか痩せられない……。それは、考え方ややり方が間違っているせいなのかもしれません。『2カ月でぽっこりお腹が改善!内臓脂肪の落とし方』の著者、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生に肥満のリスクや意外な改善方法をうかがいました。
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――肥満による生活習慣病の中でも、特に気を付けたほうがいい病気はあるのでしょうか?
栗原先生 さまざまな合併症を起こす怖い病気が糖尿病です。
糖尿病になって血糖値が高い状態が続くと、本来、体を動かすエネルギーとして使われる血糖が血管内にいつまでも残っていることになります。すると血液がドロドロになってしまい、末梢の血管まで十分な血液を送れなくなってしまいます。血液は酸素や栄養素を運ぶ大切な役割を担っていますから、血流が悪くなるとその先にある細胞の機能が低下してしまうんです。
特に抹消の神経や細い血管が集まっている網膜と腎臓は機能が低下しやすいといえます。実際、糖尿病の3大合併症は、神経障害、目の網膜症、腎症の「し・め・じ」です。
――糖尿病には、他にどんな合併症があるのでしょうか?
栗原先生 壊疽(えそ:組織が死滅し黒変する病気)、脳血管障害、虚血性心疾患の「え・の・き」です。例えば足に壊疽が起こると足を切断することになりますし、脳梗塞や脳出血はいずれも死亡や後遺症のリスクが高い疾患です。虚血性心疾患は治療が遅れると死亡に至ることもあります。
――糖尿病の予防や改善のためにも脂肪を落としたいと思ってはいても、実践するのはなかなか大変そうです。
栗原先生 皮下脂肪に比べると内臓脂肪や肝臓に脂肪がついた脂肪肝はつきやすい脂肪ではありますが、実は落としやすい脂肪でもあるんです。特に脂肪肝は、食生活を改善すれば割ととすぐに落ちるんですよ。
――どれくらいで落ちるものなのでしょうか?
栗原先生 ついている脂肪の量にもよりますが、早い人では1週間ほどで落とせる場合もあります。ただし、体形の変化はないので、脂肪肝が改善されたかどうかを確認するためには血液検査を受ける必要があります。
――脂肪肝の次に落ちやすい脂肪を教えてください。
栗原先生 内臓脂肪です。どれくらいの脂肪がついているかにもよりますが、食生活の改善と運動をおこなえば早い人では2週間ほどで落ちることもあります。ただ、私の患者さんには「2~3カ月かけてゆっくり落としていきましょう」とお伝えしています。
――脂肪の中で一番落ちにくいのは皮下脂肪、ということでしょうか?
栗原先生 そうです。皮下脂肪は内臓脂肪が落ちてから減っていく脂肪です。そのため、複合型肥満の人が皮下脂肪まで落とすとなると、もう少し時間がかかります。でも、皮下脂肪は脂肪肝や内臓脂肪のように健康を害する脂肪ではありませんから。ゆっくりと落として大丈夫です。
栗原先生 肥満の予防・改善には、毎日の歯磨きも深く関わっているんです。
――双方にはどのような関係があるのでしょうか?
栗原先生 2020年11月に「歯周病の原因菌が骨格筋に脂肪をつける」という論文が発表されました。
口の中のプラーク(歯垢)1㎎あたり、多い人では10億個もの細菌がすんでいます。口の中全体には700種以上、1000億個以上の細菌が生息し、手入れが行き届いていない人の場合、1兆個を超えるといわれています。これは肛門にいる細菌以上の数なんです。
これらの細菌に含まれる歯周病菌の原因菌が全身を巡り、腸内フローラを変えることで筋肉の代謝機能を低下させ、筋肉の脂肪化を促進する可能性が示唆されています。つまり、脂肪が燃えにくくなり、ダイエットしても脂肪が減りにくくなるということです。
――ということは、脂肪を減らすためには歯周病の予防や改善も大切、ということでしょうか?
栗原先生 そうです。そのためには、定期的に歯科医院に通うことも必要ですが、一番大切なのは毎日の歯磨きです。理想の歯磨きは歯ブラシと歯間ブラシを合わせて使うこと。歯垢の除去率は歯ブラシだけだと61%ですが、歯ブラシと歯間ブラシを合わせて使うと85%まで上がります。
口内細菌は8時間で歯の表面に定着し、48時間後にはより増殖しやすい環境を作ります。1日最低2回、起床直後と就寝前に歯磨きをすることが大切です。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
<著書>
『2カ月でぽっこりお腹が改善! 内臓脂肪の落とし方』栗原毅/著 主婦の友社 1350円+税
取材・文/熊谷あづさ
ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。
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