【漫画】吐き気の原因・症状と対策法を解説【天神先生監修】
急に気持ち悪くなる、つわりのような吐き気がする、吐き気があって食欲が湧かない。そんな経験はありませんか? 中には、吐き気とともに頭痛やめまいを伴う方もい …
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買い物中に突然ぐるぐる目が回って真っすぐ歩けなくなる、帰宅してホッとひと息ついたら目を開けていられないほどの激しいめまいと頭痛が起き、座り込んでしまうそんな経験はありませんか。外出中や、ひとりきりのときは特に不安になりますし、脳の病気ではないかと疑って怖くなった方もいらっしゃるでしょう。
突然のめまいは更年期にもよくある症状。女性ホルモンの変化は体の内部、脳や内耳の働きにも影響を及ぼし、めまいの感覚を引き起こすことがあります。めまいが起きる原因や症状、対処法を耳鼻咽喉科医の高島雅之先生に教えてもらいました。
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監修/高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)
日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2007年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。「宇都宮スリープセンター」を併設し睡眠医療にも携わる。テレビやラジオなどメディアでも、いろいろなジャンルにおいて医療情報を発信。著書に『専門医が教える鼻と睡眠の深い関係 鼻スッキリで夜ぐっすり』(クロスメディア・パブリッシング)があり、Amazonのカテゴリー7つで1位を獲得。
【高島先生から】更年期からのめまいが疑われる場合は、婦人科でのホルモンチェックや対処をされているかを伺っています。されていない場合はまず婦人科を受診し、ホルモンバランスの乱れがあるか確認されることを勧めています。
その上で、頻繁に、またはいつもめまいが起きるなどの訴えがある場合は、自律神経の乱れを整えるためにEAT(もしくはBスポット療法)という鼻の奥をぐりぐりとこする治療をすることがあります。※EAT(Epipharyngeal Abresive Therapyの略 日本語訳は上咽頭擦過療法)
日常の活動がおっくうになりがちな方には、散歩でもいいので体を動かすよう日中のメリハリをつけることをアドバイスしています。また、仕事や家事に謀殺されてへとへとになっている方には、体を休めたり、リラックスしたりする時間が取れるよう、やりくりを検討することをお伝えしています。
めまいは原因によって、「前庭性めまい」と「非前庭性めまい」の大きく2つに分けられます。さらに、前庭性めまいは「中枢性めまい」と「末梢性めまい」に分けられます。
前庭は内耳の一部で、体のバランスを感知する役割を果たしています。この前庭に問題がある場合に生じるのが前庭性めまいです。
前庭には三半規管(さんはんきかん)や耳石器(じせきき)が感じた姿勢の情報を脳に伝える機能があり、この機能により私たちは体のバランスを保つことができます。これがなんらかの原因で異常を来し、めまいを生じると考えられています。
主に脳の障害によって起こり、脳腫瘍や脳卒中が原因であることが多いのが中枢性めまいです。ぐるぐる回る回転性めまいもあれば、ふわふわとした浮遊性のめまいなど多岐にわたります。また意識障害、けいれん、強い頭痛、構音障害(はっきりと発音できない、ろれつが回らない)、嚥下機能の低下、物が2つに見えるなどの症状を伴うこともあります。
内耳や聴神経の障害によって起きるのが末梢性めまいです。ストレス・睡眠不足・過労によるものといわれています。末梢性めまいの代表的な病気として以下4つを挙げます。
【メニエール病】
耳の詰まりや耳鳴り、低音の難聴などの耳の症状が繰り返し起こり、めまいを伴うのがメニエール病です。
内耳には、体のバランスを取る三半規管(さんはんきかん)や耳石器(じせきき)、音を感じ取る蝸牛(かぎゅう)などがあり、これらは内リンパ液という液体で満たされています。この内リンパ液が増え過ぎることで、めまいが発生します。また蝸牛にも影響して難聴や耳鳴りが起こります。更年期の女性に起こりやすい、内耳の血流不足が原因のこともあります。
【突発性難聴】
突然、耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴うのが突発性難聴です。音が二重に聞こえる、響く、エコーがかかるなどの症状が起きることもあります。
メニエール病が10分から数時間ほどのめまいが継続するのに対し、突発性難聴でめまいを伴う場合は数時間かけてゆっくり軽快し、一般的に繰り返すことはありません。また、めまいの症状がまったくない場合もあります。
【良性発作性頭位めまい症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう)】
めまいの症状のうち、最も多い病気が良性発作性頭位めまい症です。三半規管の中に耳石が迷入して、寝たり起きたり、寝返りを打つなど頭を動かしたときにぐるぐる回るような回転性のめまいがおおむね数十秒起こります。吐き気を伴うこともあり、眼球の動きが異常になることもあります。また、症状の強さにより、嘔吐を伴うこともあります。
【前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)】
突然、強い回転性めまいと吐き気・嘔吐が起きるのが前庭神経炎です。無理に起きたり歩いたりするとさらに悪化します。できるだけ頭を動かさず、落ち着くまでは横になって安静にしていると、ほとんどの場合、数日で激しいめまいは治まります。内耳から脳へ情報を伝える前庭神経が、なんらかの原因で異常を来し、めまいを生じるのが原因と言われています。
耳や脳が原因の前庭系以外の原因によって起きるのが非前庭性めまいです。具体的には、目の疾患や循環器系の問題、貧血、白血病などの血液疾患、甲状腺機能低下などの代謝障害がいわれています。また、薬剤や高血圧、低血圧、動脈硬化などが原因のこともあります。
立ち上がった瞬間に頭がフラフラする(立ちくらみ)、長時間立っていると目の前が暗くなったり、動悸、息切れ、吐き気・嘔吐、冷や汗などの自律神経症状を伴うことも多く、時には失神することもあります。
更年期の女性に起こりやすい女性ホルモンの変動によるめまいは、非前庭性めまいに分類されます。また、加齢による感覚器官の変化が、このめまいを引き起こす一因となり得るといわれています。
自分や周囲が回転している感覚、または周囲の上下または左右に移動する感覚があります。特に前庭性めまいによく見られ、更年期の女性ホルモン変動が影響することもあります。
体が不安定でふわふわと浮いているような感覚があります。真っすぐ立った姿勢のときに特に顕著で、姿勢を保つのが難しいです。更年期に起因する血圧の変動や自律神経の乱れが原因となることがあります。
いわゆる「立ちくらみ」と言われるのが、このタイプのめまいです。目の前が真っ暗になって気が遠くなる感じにもなります。更年期の女性では、突然の血圧の低下によって発生することがあり、女性ホルモンのバランスの変化が関与している場合があります。
では実際に、更年期の女性が経験しためまいの症状、対処法、回復までのプロセスを紹介します。
幼稚園から帰宅したばかりの私を襲った激しいめまい。20分ほどでなんとか治まりましたが、頭痛や耳が塞がったような感覚が残り、音が聞こえづらい状態だったため、その日の午前中に耳鼻咽喉科を受診。めまいの余韻が残り、耳はまるで水の中にいるよう。特定の音が聞こえないという感覚はありませんでしたが、聴力検査の結果は低音がほとんど聞こえていないとのこと。その他にバランス感覚や目の振動を調べる検査を受け、「低音障害型感音難聴(ていおんしょうがいがたかんおんなんちょう)」と診断されました。
低音障害型感音難聴とメニエール病の治療方法は共通のようで、治療法も同じとのこと。内耳にたまったリンパ液の排出を促す少しとろみのある液体の薬、血流を改善する薬や神経を修復する薬と酔い止め薬を服用し、2週間ほどで耳の症状は軽快していき、頭痛やめまいも起こらなくなりました。
医師からは、なるべくストレスをためないこと、そして運動して三半規管を鍛えることが予防につながるとアドバイスされ、エアロビクスとヨガを始めました。実は一度再発も経験し、メニエール病の可能性が高いと診断されて回復までに5週間ほどかかりましたが、なんとか回復しました。その後は6年以上たっても再発はしていません。
予防のために運動は欠かさず続けています。ストレスをためないというのは難しいですが、疲れたら休み、何事もほどほどに、自分をいたわっていきます。
40歳になった夏、当時中学生だった息子と1泊旅行に出かけた時のこと。ランチを食べた後立ち上がると、歩こうと思っても足が前に出ません。一瞬パニックになりましたが、フラフラするものの症状はすぐ改善されたので、前日ほぼ徹夜状態でビールを飲んだからかな? 数日前に風邪をひいて数日寝込んでいたことも影響しているのかな?と軽く考えていました。
旅行から帰ると、遅くまで仕事をおこない深夜3時過ぎに就寝。明け方になってトイレに行こうと立ち上がると、前日よりさらにひどいめまいが。頭がグルグルしてあまりのひどさにどうにもならず、歩こうと思っても足が前に出ない症状が再度起こったのです。めまいに加えて尋常でない吐き気までしてきて、頭の病気が疑われてこのまま死んでしまうのでは? と思ったほどでした。
その日は、元看護師である母に付き添いをお願いし、救急車で病院に行きました。病院では、眼振(眼球がけいれんしたように動いたり揺れたりすること)や指の動き、ろれつなどを確認されました。
その後、めまいは数日続き、徐々によくなってきて、検査の結果、脳への異常がないとの判断に。風邪が治ったと思ったらめまいがし始めたという状況も考えると「前庭神経炎(ぜんていしんけいえん:内耳と脳をつなぐ前庭神経に炎症が起こり、誘因なく、突然強い回転性のめまいが生じる病気)」だったのだろうと診断されました。とりあえず吐き気止めの点滴を受け、その日は入院することとなりました。
幸い前庭神経炎の症状は再発の可能性は低く、入院翌日に退院できることに。若干のふらつきはあるものの、あの強い吐き気はうそのようになくなっていました。帰宅後も吐き気止めとめまいの薬を飲み、できるだけ昼間に仕事をするよう心がけ、夜中までかかる仕事は一旦お休みにしました。大好きなお酒も一時お休みにし、2週間を経過するころには、すっかり元通りの健康な状態に戻りました。
めまいは突然強い症状が現れるので、その不安からくるストレスで新たなめまいを起こす可能性もあるそうです。めまいという病気とじょうずに付き合いつつ、でも病気に慣れてしまって大きな病気のサインを見逃すことのないよう定期的に検診を受け、予防に努めていくつもりです。
40代に入って毎月数回は起きるようになっためまい、耳鳴り。世界がゆがんでぐるーんと回りだす、耳の奥でキーンと音が鳴る……。その気持ち悪さは、いつまでたっても慣れないものです。このままめまい、耳鳴りが増えていったらどうしよう、そう思った私はまず耳鼻科を受診しました。
耳鼻科では、めまいを再現する検査をおこないました。先生が私の頭をあっちこっちに向けてめまいを誘発してくれるのですが、そのときはめまいは出ず、医師からは「現時点でめまいが治まっているので、すぐに大きな病院で検査が必要というような病気ではないと思います。めまいや耳鳴りは自律神経の具合も影響するから、あまりカッカせずに気持ちをラクにね」と言われました。
よく考えるとめまいや耳鳴りが起こるのは仕事や家事で無理をしたときです。暑かったりイライラや心配で気をもんでいるときなど気が詰まったような感じのときにグラッとくる印象があります。
先生は「めまいが起こったときは、服も気持ちもゆるめる」とおっしゃったので、暑い中での作業や在宅での仕事をするときには、あえてゆったりと締め付けない服を選ぶようになりました。それでもめまいが起こったときは、すぐに横になって休みます。
これでめまいや耳鳴りの頻度が劇的に減ったわけではありません。でも、急を要するような大きな病気ではないとわかったこと、万が一に備え先生から「もし、まためまいがしたときはお薬を出しておくからそれを飲んでみてね」と、めまいを止める「メリスロン」という頓服薬をもらったこと、何より「心と体をすぐにゆるめる」というコツを教えてもらったことで、めまいが起こるのではないかとビクビクすることが減りました。その結果、気持ちがラクになり、うまくゆるむことができているように思います。
めまいやふらつきは、女性が多く発症するといわれています。女性特有のPMS(月経前症候群)や月経困難症、更年期症状としても表れるなど、多くの女性が経験するものです。めまいが女性に多い理由については主に4つの要因が挙げられます。
特に更年期の女性は、閉経期前後の約10年間に女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少し、自律神経のバランスが乱れます。それに加えて感覚器官の加齢変化やストレスなどによってめまいや耳鳴りなどの症状が出やすくなります。
更年期に入ると、血管の健康に影響を与えることが知られています。内耳は、バランスを制御する構造の一部であり、十分な血流が必要です。更年期の女性では、血管の健康が悪化することがあり、内耳の血流が低下することでめまいが引き起こされる可能性があります。
更年期に入ると、女性ホルモンのバランスの変化によってストレスや不安の感情が増加することがあります。これらの心理的要因は、めまいや頭痛などの身体的な症状を引き起こす可能性があります。特に、不安や緊張が高まると、めまいがより顕著になります。
更年期に入ると、血圧が変動することがよくあります。特に血圧が急激に上昇または低下すると、めまいが引き起こされる可能性があります。女性ホルモンのバランスの変化やストレスによって、血圧が影響を受けやすくなるため、更年期におけるめまいの原因として考えられます。
これらの要因は更年期におけるめまいの発生に関連していますが、生活環境や既往歴によって異なることを考慮する必要があります。自分自身の生活に合った適切な治療や対処法を見つけることが重要です。
女性ホルモンのエストロゲンには、血管を広げる作用や抗酸化作用、コレステロールの代謝をよくする作用など、血管や心臓を守ってくれる働きがあります。エストロゲンによる心血管系への保護作用が、男性と比べて閉経前の女性に心臓病が少ない一因と考えられています。
しかし、閉経によってエストロゲンが減少するとこの作用が低下し、心臓病の発症率が上がってしまいます。心筋梗塞(しんきんこうそく)や狭心症(きょうしんしょう)、大動脈解離(だいどうみゃくかいり)、心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)、心筋症(しんきんしょう)などの心臓疾患で血液の拍出量が減少するため、動悸や吐き気、めまいなどの症状が起きることもあります。
更年期の女性に多く発症しやすいと言われている微小血管狭心症(びしょうけっかんきょうしんしょう)は、めまいの他、胸の痛みやみぞおち周辺の鈍い痛みが伴うこともあります。症状を感じたら、循環器内科の受診をおすすめします。
また、エストロゲンは骨の維持やコレステロールなどの脂質の状態を良くする働きがあるため、閉経後の女性では骨粗しょう症による骨折や、悪玉コレステロールの増加による動脈硬化の危険度が増加します。骨粗しょう症は閉経後に急増し、骨折して初めて気付く人が多い病気。骨密度を維持して骨粗しょう症のリスクを抑えるためにも、バランスのよい食生活と適度な運動を心がけましょう。
更年期のめまいは心血管系疾患が原因の場合もあります。めまいの症状がある場合は我慢せず、耳鼻咽喉科や婦人科などを受診しましょう。
女性ホルモンのエストロゲンの低下によって引き起こされるさまざまな更年期症状。つらいときは無理せず休みたいところですが、更年期のころはちょうど仕事の責任が増えてきたり、子育てとの両立で自分の時間が取りにくくなったりと、とにかくストレスの種が増える時期です。疲れて何もやる気がなく運動不足になったり、過度な飲酒やダイエットでますます体調不良になったりと、生活習慣も乱れてしまいがちです。
そこで改めて、更年期に実践したいライフスタイルの改善について、「食事」「運動」「睡眠(休養)」の健康三原則に沿ってまとめてみました。
出典:厚生労働省「食事バランスガイド」について
厚生労働省「食事バランスガイド」では、自分の食生活を見直し栄養バランスのとれた食事を心がけることや、食塩・脂肪は控えめにすること、1日の食事のリズムから健やかな生活リズムをとることといった、基本的なことですが大切な10項目の食生活指針を発表しています。
これを基本にしつつ、更年期女性は、ホルモンの変化に伴い、骨密度や代謝が低下しやすくなりますので、毎日の食生活で特に注意が必要です。
ここでは、更年期に意識してとることでめまいを予防する効果も期待できる、代表的な4種類の栄養素を紹介します。
ビタミンB12は、更年期に乱れがちな自律神経の働きを維持する成分で、神経系の機能や血液細胞を健康に保ち、赤血球の形成、DNAの生成を助ける栄養素です。疲労感やめまい、視力の低下などの症状を予防する効果が期待できます。
肉や魚などの動物性食品、乳製品や強化穀物(シリアルなどの穀物に特定の栄養素が添加されたもの)に含まれていますが、この中でも鮭、いわし、しじみ、あさりなどの魚介類に多く含まれています。
ビタミンDは、更年期でのエストロゲンの減少によって起こる骨密度の低下を抑える成分で、骨の生育に必須な血中のカルシウム濃度を高める作用のほか、免疫作用も高める栄養素です。BPPV(良性発作性頭位めまい症)の予防も期待できます。
魚、卵黄に含まれていますが、この中でも鮭、さんま、いわしに多く含まれています。また、日光に当たることで、体内でも生成することができます。
マグネシウムは神経系の機能改善や、筋肉のリラクゼーション、めまいの予防に効果を発揮する栄養素です。更年期に起こりがちなイライラ感、不安感は、マグネシウム不足によって発症しやすくなると言われています。
緑色の葉野菜、ナッツ、全粒穀物に含まれていますが、あおさ、ひじき、わかめなどの海藻類に多く含まれています。
鉄は赤血球の健康や、酸素輸送を助ける栄養素です。更年期症状の1つである鉄欠乏症貧血は、鉄分の不足によって発症しやすくなると言われています。貧血による疲労感やめまいなどの症状を予防する効果が期待できます。
赤身肉、豆類、ほうれん草に含まれていますが、レバー(豚レバー、鶏レバー、牛レバー)や牛もも肉などの赤身の肉、かつおやまぐろなど赤身の魚に多く含まれています。
健康三原則、次は「運動」です。定期的に運動することで心も体も整う、そうわかっていてもなかなか実行に移せなかったり、継続できなかったりするものです。でも、運動は三半規管を鍛えることにもつながるので、めまいに悩む更年期女性にはぜひ定期的に続けていただきたいものです。
そこで、今回はアウトドアの運動に絞り、最低限の準備で気軽に始められてリフレッシュ要素もあるおすすめの運動2つを紹介します。
ウォーキングは、ウォーキング用のシューズさえそろえばいつでも始められる、簡単で身近な運動です。1日20~30分のウォーキングは循環器系を活性化し、筋力やバランス感覚の向上をサポートします。
いつも決まった近所のコースを歩いたり、通勤時にひと駅手前で降りて歩くのも良いのですが、慣れてくると物足りなく感じて長続きできなくなることもあります。例えば1週間に一度、友人や家族とともに新しいルートを探してみるのも◎。新しい景色や地域を発見する楽しみが加わるので、ぜひ試してみてください。
ウォーキングに慣れてきたら、1カ月に一度、または2カ月に一度でもよいので、低山ハイキングもおすすめです。
平地を歩いていた時に比べると運動強度は上がりますが、低山ハイキングの魅力は何といっても自然の中で体を動かしながらリフレッシュできる点です。特に季節ごとの景色や自然の変化を楽しむことができるのも魅力の1つですね。SNS上ではハイキングに関する情報が豊富に共有されているので、おすすめコースを参考にしてみるのもよいでしょう。
健康三原則、次は「睡眠(休養)」です。質の高い睡眠は、更年期症状を軽減するために非常に重要です。質の高い睡眠を維持するための具体的な手法として、以下の4つが挙げられます。
毎日同じ時間に寝ることと起きることを心がけましょう。規則正しい睡眠スケジュールを守ることで、体内時計が調整され、自然な睡眠サイクルを維持するのに役立ちます。
就寝の数時間前に、リラックスするためのルーティンを設定しましょう。例えば、お風呂に入ったり、ストレッチや軽いヨガをおこなったり、リラックスできる音楽を聴いたりすることで、心身をリラックスさせていきます。
寝室の環境を快適に整えることが重要です。暗く静かな寝室、快適なマットレスや枕、適切な室温などが質の高い睡眠を促進します。また、スマートフォンやPCなど電子機器の使用を就寝前に避けることも大切です。
アルコールやカフェインの摂取を就寝前に控えることが重要です。また、過度な食事や運動も睡眠を妨げる要因となりますので、就寝前には控えるようにしましょう。
これらの手法を実践することで、質の高い睡眠を維持し、更年期症状の軽減に役立てることができます。毎日の睡眠習慣の改善は、体と心の健康にとって非常に重要ですので、積極的に取り組んでください。
現代社会において、ストレスを完全になくすことはほぼ不可能と言えます。ここでは、簡単に取り組める日々のストレスマネジメントの方法を4つ紹介します。
深呼吸は緊張を解き、リラックス状態に導くのに効果的です。ゆっくりと鼻から深く息を吸い込み、口からゆっくりと息を吐き出します。腹式呼吸を意識して、おなかを膨らませて吸い込み、空気を吐き出す際におなかをゆっくりと凹ませるようにします。
瞑想は心身のリラックスを促し、ストレスを軽減するのに役立ちます。静かな場所で座り、目を閉じて呼吸に集中します。呼吸に意識を集中し、外部の刺激を排除することで、心を静めることができます。
ストレッチやヨガのポーズをおこなうことで、緊張した筋肉を緩和し、リラックス効果を得ることができます。特に首や肩、背中などの部位を重点的にストレッチすることで、ストレスを軽減する助けになります。
過度なストレスや不安を引き起こす可能性がある忙しいスケジュールや過剰な作業量を避けることが重要です。
これらのストレス管理技術を日常的に取り入れることで、睡眠の質を向上させ、更年期症状を軽減するのに役立ちます。試してみて、自分に合った方法を見つけてください。
めまいが起きたら、すぐに安全な場所に移動します。頭を低くするなどし、めまいが起こらないような頭の位置を探して目を閉じて安静にします。
吐き気や嘔吐がある場合、冷たいタオルをみぞおちに当て冷やすとラクになります。横になる場合は首を横に向け吐きやすくし、吐いたものが気管に入らないようにします。
急激な頭や首の動きは避けるようにしてください。静かにしていることで、めまいが治まるのを待ちましょう。
めまいが発生した時には、これらの体勢を取ることで、めまいが発生した際に落ち着きを取り戻し、安心感を得ることができます。ただし、めまいが長時間続く場合や、他の症状がある場合には、医師や専門家に相談することをお勧めします。
強いめまいが起きると、めまいと併存する他の症状に気付かないことが多いだけでなく、気付いていても強烈なめまいの状況下では誰にでも起こり得る一過性の現象だと捉えてしまう方も多いです。専門医に相談する際は以下の3つのことに留意しましょう。
<めまいの発生時期と頻度>いつからめまいが発生し始めたか、どのくらいの頻度で起きるかを記録します。
<めまいの症状の詳細>めまいの感じ方や症状の具体的な内容を説明します。例えば、めまいが回転するような感覚か、ふらつくような感覚か、立ちくらみのような感覚かなどを伝えます。
<他の症状との関連>めまいと同時に他の症状(吐き気、耳鳴り、視覚異常など)があるかどうかも記録します。
<めまいの誘因>めまいが発生する原因や誘因(特定の姿勢、特定の動作、ストレスなど)も伝えます。
めまいが起きた時点で、その症状が継続している場合や、めまい以外の症状が現れている場合には、早めに医師や専門家に相談することが重要です。特にめまいが頻繁に起こり、日常生活に支障を来している場合は、迅速に診察を受けることが望ましいです。
診察を受ける前に、以下の情報を事前に準備しておくと役立ちます。
<既往歴>過去に受けた手術や治療、持病、アレルギーなどの既往歴を把握しておきます。特に高血圧、動脈硬化、心疾患、糖尿病などは脳血管障害や不整脈など生命に関わる危険なめまいの背景にもなることが多いので注意が必要です。
<薬剤履歴>現在服用している薬やサプリメント、または過去に服用した薬の情報を確認します。
<家族歴>家族にめまいやその他の関連疾患(例:内耳疾患)の既往歴があるかどうかを把握します。
これらの情報を事前に整理しておき、診察時に医師や専門家に伝えることで、正確な診断と適切な治療がおこなわれる可能性が高まります。
以上、予防と対策法を紹介しましたが、更年期におけるめまいの症状はさまざま。別の病気が潜んでいる場合もあります。気になる症状があり、長引くような場合は、ひとりで悩まないで耳鼻咽喉科や婦人科など医療機関を受診しましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
文/鈴木亜希子(55歳)
複業広報兼ライター。独身生活を謳歌しすぎたら婚期を逃したが、趣味のランニングと猫好きが出会いのきっかけとなり50歳で結婚。美肌食マイスター初級/アスリートフードマイスター3級。
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