「何このボツボツ…」片方の胸に広がる赤い湿疹。40代最後に私を襲ったまさかの病名とは【体験談】
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長年勤めてきた職場の環境や休日出勤など、会社の対応に疑問を感じていた夫。あるときから転職を考え始め、半年間の転職活動を経て、無事に転職先が決定。仕事ばかりの日々から解放されると思っていましたが、新しい環境は本人の予想以上に大きなプレッシャーがあったようです。夫は次第に眠れない日や体調不良が続くように。何か様子がおかしいとは思いつつ、このときはまだ夫が「うつ病」になっているとは夢にも思いませんでした。
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夫は新卒で入社してから、約14年間その会社に勤めていました。転職を考えるようになったのは、子どもが生まれてしばらくしてからでした。
サービス残業が当たり前という職場の空気や、土日も急な出勤があるなどイレギュラーな対応をさせられる環境に疑問を感じ、家族でゆっくりと過ごす時間をもっと取りたいと考えていたようです。
仕事をしながら転職先を探すのは大変だったようですが、転職活動を始めて半年がたったころ、無事に転職先を見つけることができました。
転職先では経験がある職種に従事。しかし、これまでとは違う職場の雰囲気や仕事内容に慣れず、ミスをしてはいけないというプレッシャーを常に感じていたようでした……。
これが、本人の予想以上に精神的な負担となったようです。転職して4カ月ほどたったころ、夫はだんだんと眠れなくなる日が増え、食欲も減退。体重は転職時から6kgも減っていました。
また、睡眠不足のため仕事中に集中力を欠くことも増えていたそうです。このころの夫は「ミスをしたり注意を受けたりするのは自分ができていないからだ」と、自分をひどく責める思考に陥っているように見えました。
転職して半年後の休日。夫は朝からおなかに違和感があり、時間がたつごとに痛みが増してきたと言いだしました。夜になっても痛みが治まらないため急きょ病院を受診することに。
X線検査を受けると胃は大きく膨れ上がっており、医師からは、「ストレス性の胃痛」と診断されました。胃痛自体は翌日には治りましたが、この日以降、夫は腹痛や頭痛などの体調不良で仕事を休む日が少しずつ増えていきました。
私は「休む時間が増えれば少しは回復するかもしれないから、休みながらでも働けたらいいのでは」と思っていたのですが、後にその考えは甘かったと思い知ります。
「もう会社に行けない」と夫が感じたのは、いつも通りに通勤していたある日のことでした。電車内で突然具合が悪くなり、目の前が真っ白になったのだそう。
すぐに途中下車し、救急車で病院へ搬送されました。医師の診断は睡眠不足でしたが、その日から「また具合が悪くなるかもしれない、もう会社に行けない」 と夫は会社を休むことを選びました。
夫は自身の体調や精神状態に不安を感じ、自ら心療内科を受診。その結果、うつ病と診断されました。
このころの夫は、不眠や食欲減退以外にも、好きなスポーツ観戦にも興味が持てなくなり、私には言いませんでしたが「死にたい」と思うこともあったそうです。医師に「症状は重いほうなので、仕事はすぐにでも休んだほうがいい」と言われました。
体調が良くなれば会社に復帰することもできましたが、夫は「急に休んで迷惑をかけているからこのまま辞めたい」と、退職を希望。救急搬送された日以降は出勤することはなく、傷病手当の手続きをおこなうと同時に退職の手続きも進めました。
それからしばらくは月2回、心療内科への通院をすることになりました。医師から処方された睡眠導入剤のおかげで不眠症状は早めに解消され、時にはスーパーに買い物に出かけることも。
症状が落ち着きつつあった夫は、ゆっくりとした日々を過ごしていました。しかし、働いていない罪悪感やこれからの不安で夫の気分がかなり落ち込んでいるのも感じました。
私も正直なところ「しっかり休むしかない」と割り切っていた半面、「もし治らなかったら……」という不安な思いもありました。幸い、傷病手当と夫の実家から生活費の支援があり、夫の給与がなくても何とか生活していけたことが救いでした。
うつ病の診断を受けて半年が過ぎたころ、夫は障害者手帳を取得しました。少しずつ将来のことを考えられるようになっていたようで、以前のようにがむしゃらに働くことはできないけれど、障害者雇用なら自分の状況を理解してもらいやすいのでは? と思ったのだとか。
しかし、焦って症状が再発してもいけないので「仕事のことは急がなくていい」とだけ夫に伝えていました。うつ病の診断を受けてから1年ほどたったころには通院も月1回になり、「遅いと思うかもしれませんが、順調な経過ですよ」と医師から励ましの言葉ももらいました。
体調が回復したこともあってか夫は少しずつ前向きになり、「仕事をするなら無理なく働けるところで」という希望をかなえるために、就労支援サービスに登録しました。
半年ほど通う中で、障害者雇用枠の募集があった仕事に応募し見事採用! 新しい職場へのさまざまな不安はあったようですが、自分の病歴を知った上での採用には安心感があったようです。
「今後も長く働き続けられるか」という部分も気にしていたようでしたが、こればっかりは夫次第なところもあるので「仕事は慣れていくしかないし、何かあったらまた休めばいい! と夫に伝えました。
現在は再就職先での勤務が1年以上続き、症状も安定しています。うつ病を発症して3年、薬も減りました。もっと早くに休むという選択ができていれば違ったかもしれませんが、後悔先に立たず。しかし、最終的にはしっかりと休息を取るという決断ができたので、良い方向に進むことができました。
今回は夫の体調や精神状態が限界に達したことがきっかけで、休職や心療内科の受診などという行動にをすることができました。しかし、もしあのまま夫が無理に働き続けていたら、取り返しのつかないことになっていたかもしれません。夫のSOSに気付いてはいたものの、本人の判断だけに任せて、仕事を休むよう強く言ってあげられなかったことは今でも後悔しています。
今後は夫の体調や精神状態もこまめに気にかけながら、必要なときにはストップをかけてあげられるようにしたいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/町田奈穂先生
臨床心理士、公認心理士。同志社大学大学院在学時より睡眠障害や発達障害に苦しむ人々への支援や研究活動をおこなう。修了後は学校やクリニックを経て、大阪カウンセリングセンターBellflowerを設立。現在は、臨床・研究活動に加え、インクルーシブな職場づくりをサポートする人事コンサルタントとして活動している。
【町田先生からのアドバイス】
半年ほどの通院治療を続け、障害者雇用枠で仕事の採用に至り、1年以上勤務が続けられるまで寛解されたのは非常によかったと思います。うつ病の治療は、薬物治療だけではなく、認知行動療法など心理療法との併用も効果があります。医師と相談の上、患者様に合った治療を進められるといいですね。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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