
更年期と言われる年齢になってからというもの、体のだるさ、動悸、憂うつ感、頭痛、手の震え、不眠、発汗などなど、あまりにもいろいろな症状が予想もつかないときにやって来ます。そのたびに強い不安感を覚えていました。それが更年期症状はホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を及ぼすことにより起こる現象であることを理解すると、不安感なく対処できるようになった体験談を紹介します。
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更年期の症状なのか、それとも大病なのか
40代後半になったころから、急にドキドキして心拍数が上がったり、息苦しくなって深呼吸して呼吸を調整したり、暑くもないのに突然汗が出てきたり、手が震えたり、体がだるかったり、さまざまな症状が予測もなく襲ってくるようになりました。
それらの症状のみであれば、一般的に言われている更年期の症状のようなので、年齢的なものだと自分自身に言い聞かせられるのですが、私の場合、大病ではないかと思われる症状も出てきたのです。
それは急に手が震えて、脳の中で一瞬の軽い痛みとともに、さーっと血の気の引くような感覚がするというもの。この感覚を度々経験するようになり、もしかして自分は脳の病気でもあるのではないか、生死に関わるような脳疾患ではないかと心配で居ても立ってもいられず、病院に駆け込みました。
しかし、脳ドックでMRI検査をしてもらった結果、特に脳の病気ではないことが判明。まるで生死の淵から生き返ったようにホッとしました。
自律神経は心身を健康に保つ根幹的な神経
脳の違和感以外にも、体調の変化を感じることがありました。あるときは呼吸するのが苦しくなり、心臓がドキドキして、死ぬかもしれないと思ったほど。そのときは救急車を呼ぶか迷いながら呼吸を繰り返して30分くらい静かにしていたら、症状が治まってきたのでした。
他にも急に汗が出てきたり、体がかっかして熱くなり、周りの人に「暑いね」と言っても誰も同意をしてくれず、自分だけが熱くて汗までかいていたこともあります。
そのような状況になるたびに、自分は深刻な病気を抱えているのではないかという強い不安を覚えました。更年期の症状は人により深刻度も症状も異なるそうなので、余計に不安でした。
そんなとき、不眠で通院していた更年期外来の医師が不眠やその他の更年期障害にはすべて自律神経の乱れが影響をしているという話をしてくれました。全身を緊張させたり、弛緩させたりするのは自律神経の働きによるものであり、この自律神経がうまく調整できていれば、環境が変化しても体は安定した状態に保たれるとのことなのです。私は自律神経を整える働きがあるという漢方薬「抑肝散(ヨクカンサン)」を処方されました。