肩凝り、めまい、イライラ…40代からの不調、全身に現れる変化の正体は【医師解説】
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更年期は、閉経を境に前後5年、10年間を指します。急激な女性ホルモンの低下や不安定な女性ホルモンの分泌から来る更年期症状、その症状が日常生活に支障を来すようになった更年期障害についての体験談を紹介します。
私の更年期の体調変化は、閉経前の50歳のときに激しい頭痛に頻繁に襲われるようになったことでした。下の娘はまだ小学1年生。娘は小学校生活に慣れてきたとはいえ、まだまだ世話は必要で、宿題も見なくてはいけません。頻繁な激しい頭痛をいつもと違うと感じたので、病院へ。通院と自分の状況を言葉にして伝えることで改善した私の更年期の体験をお話しします。
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私は51歳で閉経しましたが、その少し前から激しい頭痛に襲われることが度々ありました。頭痛に襲われると家事ができないばかりか起き上がっているのもつらかったので、横になっているしかありませんでした。娘はまだ小学校1年生。幼稚園の友だちが多い小学校だったので、娘は毎日楽しそうに学校に通っていますが、まだまだ世話は必要ですし、準備するものも多く、宿題もひとりではできませんでした。
子どもたちが学校に行っている昼間なら横になっていましたが、帰ってくるとそうもいかないので、痛み止めを飲んでごまかしていました。あまりに激しい頭痛なので、いつもと違うと感じた私は内科を受診しました。すると医師から「更年期を疑ったほうがいい。婦人科へ行くように」と言われました。紹介してもらった婦人科は出産は扱っておらず、女医が女性ならではの不調を診察する病院でした。
問診に時間をかけてくれることと、女性同士の気安さから、おしゃべりをするように症状を話すと、「更年期症状ね。誰もが通る道だから」と言われ、すとんと納得することができました。医師から処方された薬が適切だったので、今では頭痛の症状がほとんど出なくなりました。
私は更年期症状であると医師より診断されました。更年期症状は人によってさまざまであると聞かされました。それを聞いて、母のことが思い出されました。私が成人式を迎えるころに、とても感情の起伏が激しくなったのです。母はもともとハッキリした性格でしたが、さらに感情の起伏が激しくなりました。母は1日のうちでも感情の起伏が激しく、朝はニコニコしていても、数時間後に怒りっぽくなっていて、私は訳がわからず、戸惑いました。
母の顔色をうかがうようにして過ごしていたことを思い出しました。そのころの母と同じ年齢になって、母は更年期症状だったのだろうと推測できました。
「イライラする」「更年期のせいかも」と言ってくれたら、私たち家族も理解できたし、何より母の気持ちがラクになったのではないかと思いました。私も同じだと気が付きました。私は医師から「更年期症状である」と言われたので、不快な症状にも納得しています。
しかし、夫や子どもたちには言わなければ伝わらないのです。そこで夫には「病院で更年期症状って言われた」「そんな年なのね」と話し、子どもたちには「今日は頭痛いの」と言うことにしました。最初は戸惑っていた夫や子どもたちも少しずつ、年齢による症状だと理解してくれるようになりました。自分の置かれた状況や体調について言葉にすることでお互いに理解することができて、ラクになりました。
私は夫や子どもたちに「更年期症状だ」と話せたことによって、更年期を素直に受け入れられるようになりました。50年も持つ機械はあまりないでしょう。冷蔵庫も洗濯機も故障します。家は古くなっても使えますが、古くなるほど手入れは重要ですし、時には修理も必要でしょう。それと同じだと考えられるようになりました。
自分の体の変化を受け入れて、更年期とうまく付き合って行けばいいのです。薬を飲まなくちゃいけないではなくて、薬を飲んでいれば快適に過ごせると前向きに考えられるようになりました。
私はおいしくごはんを食べて、よく眠れるとニコニコと過ごせることがわかりました。そこで、おいしそうなお店を調べて、歩いてそのお店に行くようにしました。もとから好きだった食べ歩きと散歩を組み合わせているのです。おいしそうなパン屋を見つけて家族へのお土産にすることもあります。
家から歩ける距離にスポーツジムがあることもわかったので、ジム通いも始めました。鈍くなってしまった体幹を整えることで転んだり、けがの予防につながることがわかりました。散歩やジムで汗を流すと、おなかが空きます。おなかが空くとおいしくごはんが食べられます。散歩やジムのほど良い疲れは快眠につながります。
こうすることで私はニコニコと機嫌良く過ごせることがわかりました。これからも好きなことをして快適な暮らしを続けていこうと考えています。
私の更年期症状は激しい頭痛でした。運よく問診に時間をかけてくれる女医のいる婦人科に巡り合えたので、投薬治療を続けています。私の母は「更年期のせいだ」と口にすることがなかったので、母自身もつらく、私たち家族もぎくしゃくしてしまいました。
私は夫や子どもたちに更年期症状であると話せたことによって、更年期症状は古くなった家の手入れをするようなものだと考えるとラクになりました。私の場合、おいしく食事を食べること、よく眠ることで更年期症状とうまく付き合えるので、いつもにこやかでいられることを最優先に過ごしていきたいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
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