一人息子が独立したことで喪失感を覚えるようになっていたとき、友人からあるアルバイトを紹介されました。そのアルバイトは私の生きがいに。仕事の依頼も増え、ますます私はやりがいを感じるようになり、以前のように元気を取り戻していった体験談を紹介します。
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ぽっかり空いた心の穴がうまく埋まらない
一人息子が地方の大学に通うため独立し、今は夫と2人だけの生活。今になって考えると、仕事が遅いため食事をすることが少ない夫より、毎日食べる息子のためにおいしく栄養のあるものを作ることが私の生きがいの1つだったのかもしれません。
そのため、夫と2人だけの生活で喪失感のようなものを覚えるようになりました。また、毎日おこなっていた洗濯も今では1日おきで十分。このような変化の中、私はぽっかり空いた心の穴をうまく埋めることができませんでした。
余った時間で友人と毎週映画を見に行くなど、今まででは考えられないようなことも楽しんでいますが、それでも喪失感はなかなか埋まりません。そのうち夫の食事さえも作る気力がなくなってしまい、今まで利用したこともない冷凍食品やデパ地下で総菜を購入することも。このような状態ではいけないとわかっていても、立ち直れない自分がいました。
料理記事のアルバイトが心の穴を埋めた
ぽっかりと空いた心の穴が埋まらずに悩んでいたときに、友人が始めた料理記事を投稿するアルバイトを紹介されることに。もともと料理は大好きでしたが、そのときは気力をなくしていたのでできるか不安でしたがおこなってみることにしました。
仕事の内容はアイデア料理を考えて月に4記事、でき上がった料理の写真と作り方の説明文を会社に送るだけ。パソコンにあまり強くない私でも簡単にできる仕事でした。最初の1カ月はとにかく必死で取り組み、あっという間に時間が過ぎていきました。
その上、コロナ禍だからなのか自宅で料理を作る人が増えたこともあり、月に4記事の投稿は6記事に増え、他にも簡単に作れるアイデアデザートも新たに3記事頼まれることに。そうなると、いろいろアイデアを考えることが必要となり、気力がなくなったなどと言っていられないような状況となり、毎日頭の中は新しい料理を考えることでいっぱいでした。
そして、多くの人が私の料理記事を見てくれていると思うと、やけに熱くなってしまったのです。結局、私の料理記事をたくさんの人に見てもらえるという喜びと、おいしいものを伝えようという使命感を持つようになり、あんなに悩んでいた埋まらない喪失感は、すぐに埋まったのです。