
「若いころはたくさん食べても太らなかったのに……」とおなかのお肉をうらめしく思い、「ダイエットしてもなかなか体重が落ちてくれない……」と体重計の数値に愕然としたりはしていませんか? 「痩せたい!」と願う方におすすめの、今話題の飲むだけで痩せるというダイエット法を糖尿病や高血圧などの生活習慣病の専門医であり、ダイエット外来の医師でもある工藤内科院長の工藤孝文先生にお聞きしました。その方法と効果についてお伝えします。
★前回:話題のダイエット!ダイエット外来の医師がすすめる「飲むだけで痩せる方法」とは【医師解説】#1
緑茶に含まれるカテキンやテアニンの秘めたるパワー

――「緑茶レモン」を飲むことで痩せるのには、どのような理由があるのでしょうか。
工藤先生 緑茶とレモンは、科学的に見ても高い健康効果やダイエット効果がある成分を含んでいる食材です。
例えば、緑茶に含まれる茶カテキンには、脂質代謝を活発にする働きがあります。ほかにも、摂取し続けることで善玉菌が増加し、悪玉菌が減少して腸内環境が整う効果ももたらされます。その結果、痩せやすい体になっていくのです。
また、テアニンはリラックス作用があることで注目を集めている成分です。ストレスによって過食に走り、体重が増えてしまう人は少なくありません。近年の研究によって、テアニンには、ストレスになる刺激への応答として起きる自律神経系の活動を抑制したり、ストレスを受けた脳神経系の活動を正常化する働きが示唆されています。テアニンのリラックス効果やストレス耐性によって、ストレスによる過食の予防が期待できます。
実際、日本有数の茶所として知られる静岡県の方たちには次のような特徴があることがわかっています。
・メタボ該当者が全国最低水準(特定健康診査の結果)
・2015年~2016年の都道府県別健康寿命ランキングの平均値が男性全国3位、女性全国2位
こうしたデータから、日常的にお茶を飲んでいる静岡県の方々は太りにくく、健康的に長生きしやすいことが推測されます。
レモンを摂取すると“痩せホルモン”が分泌される

――緑茶のダイエット効果はわかりましたが、レモンを一緒にとると効果的なのはなぜでしょうか?
工藤先生 レモンの効果については、例えば同志社大学生命科学部、糖化ストレス研究センターの八木雅之教授らの研究によると、米飯を摂取する前にレモン果汁をとることで食後の血糖値の上昇を抑えられることがわかっています。
また、脂肪細胞から分泌される「アディポネクチン」というホルモンがあります。アディポクネチンは“痩せホルモン”と言われており、このホルモンの分泌量が多いと運動時と同様の脂肪燃焼効果が得られ、太りにくい体になるという研究報告があります。日本一のレモンの産地である広島県でおこなわれた調査では、レモン摂取量が多いほど血中のアディポクネチン濃度が高いことが判明しました。
このように、緑茶とレモンにはそれぞれに痩せる効果があり、両方の成分を同時にとれる緑茶レモンはダイエットに非常に有効です。さらに、飲むだけで痩せる効果が期待できる緑茶レモンは簡単で続けやすいダイエット方法でもあるのです。
次の章で、緑茶レモンの作り方を紹介します。