
パニ子は23歳。夢を叶えるために家を出て、遠くフランスで一人暮らしをしています。学生のころに母が亡くなってから、年の離れた長兄・次兄・姉と共に大好きな父に男手一つで育てられました。しかし、そんな父は今、がんで闘病中。その知らせを受けて、看病のために一時帰国しています。病気が判明してから、兄と姉は家に寄り付かず、遺産のことばかり気にするようになって……。
スカッと系人気YouTubeチャンネル「パニコレ」から、「遺産のことしか考えていない兄と姉」を紹介します。
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大好きな父の看病をするために一時帰国
結構前から体調がすぐれないと言っていた父ですが、すぐに病院に行かなかったため、がんが見つかったときには、すでに手遅れの状態になっていました。パニ子はもっと早く病院に連れて行けばよかったと悔やみますが、残された時間を少しでも父と過ごせるよう、看病のためにフランスから一時帰国しました。兄や姉と交代しながら看病すれば負担は軽くなるのですが、病気が判明してからというもの、3人とも遊んでばかりいて父の身の回りのお世話なんて、一切しようとしません。
3人を問いただしたこともありますが、聞く耳を持たず……。それどころか、まだ父が生きているというのに遺産の話を始める始末。もめる前に話し合っておくべきという兄の意見もわかるのですが、パニ子は今すぐに話すことでもないと思っています。しかしある日、兄が姉とともにパニ子の元にやって来て宣言しました。
「遺産はすべて末っ子以外で分ける!」
「とにかく決まったことだからな!!」
パニ子は遺産目当てで看病しているわけでもなく、今はとにかく父と一緒にいたいという気持ちが強かったので、そんなことはどうでもよかったのです。
父が残した言葉の意味とは?
それからも、徐々に進行していく父の病状を見守りながら過ごす日々が続いていました。いつものようにパニ子が病室に行くと、そこには珍しく兄たちの姿がありました。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、来てくれたの?!」
とパニ子が話しかけると、どうやら先生と話している最中のようです。兄たちは寝ている父の横で、あろうことか「あとどのくらいですかね?」なんて聞いていました。ずいぶんな物言いに、先生も困惑気味。何より、父がいる場で話すことではないと、パニ子は兄たちを追い出しました。寝ているときでよかった……。そう胸をなで下ろしてベッドを見ると、父は起きていました。そして、むっくりと起き上がってこうパニ子に言いました。
「お前のために言っておくよ」
「遺産相続は放棄するんだ」
ビックリしながらも、自分は遺産なんか望んでいないことを告げると、父は「ありがとう」とニッコリ微笑み、その日の夜に旅立ちました。