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閉経に向かう過程で女性ホルモンのエストロゲンは減っていくのが一般的です。しかし、一部では閉経に近づいている、または閉経後にも関わらずエストロゲンが減らない場合があるということです。一体どういうことなのか、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。
まず、なぜ加齢とともに女性ホルモンは減るのでしょうか。
「女性ホルモンであるエストロゲンは排卵、受精など妊娠に至るさまざまな過程、また胚の着床や発育など妊娠初期から出産後に至るまで重要な役割を果たしています。 妊娠や出産は女性の体に大きな負担がかかります。体力的、機能的に、体自身がもう妊娠や出産はできればしないほうが良いという判断でエストロゲンの分泌を減らしているとも言えます。それと同時に閉経への兆候が見られてきます」(駒形先生)。
閉経とエストロゲンの分泌低下はセットということです。
「閉経とは、生理が1年間来ない状態です。突然生理がピタッと止まるというよりは、一般的には間隔が空いてきて、少しずつその間隔が長くなってきます」(駒形先生)。
ただし、閉経の時期は個人差が大きいと言います。
「日本人女性が閉経を迎える平均年齢は50.5歳と言われており、一般的には閉経を挟んだ前後5年間、45~55歳の10年間を更年期と呼びます。ただ、閉経の年齢にはかなり個人差があり、50代後半の方もいます。例えば58歳に閉経するとすれば、53~63歳がその人の更年期となります。ですから、40代後半~50代すべての女性の女性ホルモンが急激に減るとは言い切れないのです」(駒形先生)。
閉経は遅いほうが良いのでしょうか。
「人それぞれで違うと思います。閉経が遅いと心疾患や骨粗しょう症の予防などメリットはありますが、エストロゲン由来の乳がんリスクが高まることもあります。妊娠を希望する場合としない場合でも違います。一概に閉経が遅いから良いとは言い切れません」(駒形先生)。
閉経の時期は個人差があることがわかりました。しかし、閉経後でもまれにエストロゲンが減らない場合があるそうです。
「閉経前は、エストロゲンは卵巣で産生されていましたが、閉経後は卵巣の機能が低下してほとんど産生されなくなります。それにも関わらず、検査をするとエストロゲンの数値が高いことがあります。
閉経後にエストロゲン数値が高いことは卵巣腫瘍をはじめとする婦人科系がんの原因にもなることがあり、エストロゲン産生腫瘍といわれるものがあります」(駒形先生)。
ホルモン検査は、あまり気軽にできない印象がありますが、気になる場合は受けたほうが良いのでしょうか。
「閉経後に不正出血や腹部の張りなどがある場合は、婦人科を受診しましょう。必要があればホルモン検査をおこないます」(駒形先生)。
女性ホルモンは多いほど若くてきれいになれる? と思っていましたが、そう単純な話ではなさそうです。体はその時々に合わせて必要なホルモンを出すようになっているということに改めて生命の神秘を感じました。閉経がまだの人も、もう来た人も、自分の体の変化を注意深く見守っていきましょう!
取材・文/mido(49歳)
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
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