
頭が急に熱くなってぼーっとしたり、カッカと熱くなったり。いわゆるホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)は、代表的な更年期症状とされています。つらくても「更年期だから」と我慢している人も多いと思いますが、実はちょっとした習慣や工夫で改善されると産婦人科医の駒形依子先生は言います。具体的な方法を聞いてみました。
教えてくれたのは
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。
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なぜ更年期にホットフラッシュが起こる?

更年期症状の例として必ずと言っていいほど挙げられる、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)。なぜ更年期世代の女性に起こりやすいのでしょうか。
「女性ホルモンのエストロゲンの減少により、自律神経が乱れ血管が拡張して体温調節機能が働かなくなることで起こります。また、更年期になると血流の方向が変わることも要因です。加齢とともに女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ると、子宮周りへの血行が悪くなります。ですが、血の量は更年期だからといって変わりませんし、血流というのはもともと上半身に向かいやすい特徴があります。そのため、上半身に血流が集中して脳への血流が増えることで、ホットフラッシュが起きるのです」(駒形先生)
ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)の原因となる女性ホルモンの分泌を増やすことはできませんが、更年期症状は改善できると駒形先生は言います。
こまめな水分補給で予防できる!

駒形先生によれば、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)は体の脱水が進んでいるときに起きやすいと言います。
「体内の水分が足りないと、下半身への血行がさらに悪くなってさらにのぼせやすくなります。例えば朝方にのぼせやすいという人はお風呂上がりの水分補給が少ないことが原因かもしれません。夜中にトイレに行くのが嫌で水分補給を控えることで脱水が進み、朝にのぼせて起きてしまうということもあります。
水分を補給するときはお茶という人も多いと思いますが、お茶は利尿作用が高いものが多いので、経口補水液が効果的です。経口補水液ならミネラルや塩分も補給できます。アルコールも利尿作用が高いので、寝る前は控えたほうが良いでしょう。
一番脱水が進んでいて喉が渇く朝とお風呂上がりは必ず水分補給をして、日中も少量でいいのでこまめに水分をとるようにすると良いですよ」(駒形先生)
経口補水液というと、熱中症対策用の飲料というイメージがありましたがホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)の対策にも効果的なんですね。